もりん爺のブログ

館林市非公認キャラクター「もりん爺」のブログ。茂林寺や茂林寺沼湿原の情報を紹介していきます。

5月29日 自然学習会があったんじゃ

だんだんと暑くなってきたのう。冷たい麦茶が手放せない、もりん爺じゃ。
今回は5月に開催された自然学習会について、振り返っていくぞい。

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学習会は青木雅夫氏を講師に迎え、9時にスタートしたんじゃ。雲一つない快晴で、湿原の観察と散策にうってつけの天気じゃった。ちと暑かったがの…。

 

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これは在来種のオオバコと外来種のツボミオオバコを比較しておるんじゃ。さて、どっちがオオバコかわかるかのう?
正解は、左の小さいほうじゃ!右の大きいほうがつぼみオオバコで、全体に白い毛があるのが特徴じゃぞ。

葦もまた背が伸びておった。青木先生の背丈を飛び越えておるわい。

葉の上にいたスゲドクガ(黄色い毛虫)も、心なしか満腹そうじゃったのう。


湿原を歩いていると、葦の先が枯れている光景を見る事がある。下の方は瑞々しい緑色なのに、葉の先や上の方が茶色く乾いているんじゃが…実は、犯人がいるんじゃよ。
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犯人は茎に穴をあけて侵入し、中の柔らかい部分を食べながら成長するんじゃ。葦の根本付近をよく見ると、小さく穴が開いているんじゃよ。おっと、芋虫が苦手な人は、次の写真を見る時は注意するんじゃぞ。

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葦の葉先や上野方が枯れているのは、根本から吸い上げる水が行き届いていない証拠なんじゃ。下に穴があいた筒を想像すると分かりやすいかのう。いくら吸っても上まで水が来ないから、先の方から枯れていってしまうんじゃな。
これは葦に限ったことではない。庭の花や木の葉の先が枯れてしまうときは、根本をよぉく見てみると、原因がわかるかもしれんのう。

 

 

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これはドクダミじゃな。ここで問題なんじゃが、ドクダミの花はどの部分じゃろうか。
うむ、白い部分が花っぽく見えるのう。じゃが実は、ここは葉っぱなんじゃよ!爺も先生に聞いて驚いたんじゃ。花は真ん中にある黄緑のところに咲くそうじゃ。

ではなぜ白いのか?ここにも虫が関係しておる。この白い葉で虫を惹き寄せ、花粉を運んでもらうんじゃな。このように、花びらに見えても実は違った!というのは、植物界ではままあることのようでな。湿原で御馴染みカキツバタも、外側の大きな部分は花じゃないのじゃ。外花被片(がいかひへん)と言って“がく”の部分なんじゃよ。ここは虫の止まり場にもなっておる。植物と虫の関係は深いものがあるのう。

 

もう一つ、虫の話があったぞ。この写真を見てほしい。

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この葉っぱ、病気のようにも見えるが…実はグンバイムシという虫が原因なんじゃ。グンバイムシの名前の由来は、相撲の行司等が使っておる軍配に姿が似ておるからなんじゃ。とても小さいから、観察する時はルーペがあるといいのう。こやつらがいると葉の裏に黒い斑点模様ができ、元気がなくなってしまうのじゃ。


それと、葉っぱが不自然に丸まっていたり、組み合わされていたりするのを見つけたことはあるかのう?これも虫の仕業なんじゃ。丸まっている中には虫の蛹がいたり、クモが巣を作っていたりする。見つけたらちょっと覗いてみると、新しい発見があるかもしれんな。もちろん、虫に怒られん程度にするんじゃぞ!

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葉が組み合わされている葦

他にもカキツバタの色合いの違いから感じる湿原の多様性や、キショウブルイジアナアヤメなどの外来種の脅威について解説があったぞい。同じ植物、同じ場所でも多様性によって違った一面が見え、また生き残る術にもなっておる。何回通っても、そのたびに新しい発見があるのは嬉しいことじゃのう。
最後になるが、木道から茂林寺境内へ続く道のところでオオスズメバチを見かけたんじゃ。危険じゃから、もし見つけたら騒いだり近くへ近づいたりしないように気をつけるんじゃぞ。
そうそう、爺が見つけた時は、クワガタと一緒に樹液をなめていたんじゃよ。夏の茂林寺では様々な昆虫を見つけられるんじゃ。もちろん、植物もこれから花咲くものがいっぱいじゃ。春とはまた違う、夏の茂林寺も見逃せないのう。