もりん爺のブログ

館林市非公認キャラクター「もりん爺」のブログ。茂林寺や茂林寺沼湿原の情報を紹介していきます。

3月の茂林寺沼じゃ

ほほほ、昨日ぶりじゃな。もりん爺じゃ。

実は20日に、茂林寺沼湿原生物調査研究会にも参加していたんじゃ。寒く厳しい冬が終わり、新たな生命の息吹を感じられるのはこの季節の特権じゃの。館林市の文化振興課では例年5月に観察会を開いておるが、それまでにも新芽覗かし花開かせる植物はたくさんあるのじゃ。もちろん虫や動物も動き始める。冬には見られなかった虫もみつけられたわい。
今回は研究会で見つけ、先生方に教えていただいた植物を紹介していくぞい!

 

まずは湿原入口付近で見つけた植物じゃ。

f:id:morinjii:20220322133724j:plain上品な淡い紫色が可愛らしいのう。これはショカツサイじゃ。

名前の由来は、中国の軍師、諸葛孔明が野菜不足を改称するために行く先々で種を蒔き広めたという伝説からきておるらしいぞ。広く知られているのはムラサキハナナという名前じゃろうか。
この花は茂林寺から中央園路へ行くまでの、ツツジの下あたりで見つけたのじゃ。湿原にはたくさん植物があるが、実は湿原の外にも様々な植物があるのじゃ!このショカツサイもその一つ。ぜひ探してみてほしいのう。

 

 

f:id:morinjii:20220322133936j:plainこれは何かわかるかの?ヒントは井戸と幽霊じゃ。朧気な月明かりの中、井戸の中からゆっくりと、細く青白い手が伸ばされ…。いかん、まだ怪談には早すぎたのう。背筋が凍るようじゃ。
さて、話を戻すぞ。これはシダレヤナギじゃ。園路入ってすぐの見本園奥に、3本仲良く並んでおる。遊歩道の展望台からの方が近く見えるかのう。このシダレヤナギ、よく見るとすごいらしいのじゃ。これはの…なんと、3本とも雌株だったのじゃ!
先生の話によると、シダレヤナギは何故か雄株が多く、雌株が少ないらしいのじゃ。それがここには3本揃って生えておる。単なる希少植物だけでなく、見慣れた植物の中にも驚きや発見のタネが詰まっているのじゃなあ。

 

ヤナギつながりでもう1本、これはタチヤナギじゃ。

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このヤナギの特徴は、どこまでもしなる枝の柔軟性にある。

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このしなりやすく折れにくい特性は、川などの水の流れで枝が折れないよう身に着けたものらしい。つまり、このタチヤナギが自然に生えておるところは昔川だったところが多いそうじゃ。茂林寺沼も昔は茂林寺川から多くの水が流れて形成された場所じゃ。タチヤナギを見、遠い昔に思いをはせる。知識を得ることでいろいろな楽しみ方ができるようになるんじゃな。

 

次は茂林寺沼の春の人気者、ノウルシじゃ!

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今年も無事に芽生えが確認できたわい。もう少したてば、鮮やかな黄色い花を咲かせてくれるじゃろう。む、黄色?これ、どう見ても赤いような?安心して欲しいのじゃが、これはちゃんとノウルシじゃからな。じじいのうっかりを疑ったそこのあなた、夜の茂林寺沼に気をつけるのじゃぞ。


しっかり先生が解説してくださったぞい。この赤みはアントシアニンという成分の表れで、紫外線から身を守るためのものだそうじゃ。ノウルシ=黄色という考えしかなかったじじいには、目から鱗が落ちるような発見じゃった。今年も元気な姿を見せてくれることを祈っとるぞ。

 

f:id:morinjii:20220322133848j:plainこれはモチの木じゃ。ちと見づらいが、茎の途中にポコポコと瘤のようなものが出来ているのがわかるじゃろうか?これは実ではないそうでな。先生がスッと瘤を割った中身がこれじゃ。

f:id:morinjii:20220322133906j:plain写真がぼけていて申し訳ないのじゃ。茶色い点と、黒い点が見えるかのう?これが瘤の正体、その名もモチノキメタマフシ、だそうじゃ。この虫は枝に寄生し、表面に傷をつけることで瘤を作り出す。そして瘤の中に住み着き、食料とするんじゃ。こうすれば、宿主であるモチの木は食べ尽くされないし、虫は食住が手に入るし、Win-Win…かの?
モチの木はその分体力を使うから、両得、というわけにいかなそうじゃな。枯らすギリギリを見極めている寄生のプロじゃのう。枝についた瘤は虫こぶというそうで、モチの木以外にも見られるそうじゃ。身の回りでも探してみてはいかがじゃろうか。

 

最後は春の風物詩、フキノトウじゃ。

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じじいはの、フキノトウのてんぷらが好きでのう。ちと苦みがあるから、苦手な人もいるかもしれんな。しかしこの苦みにも意味があったんじゃ。先生によると、昔は冬にお食料が少なく、胃が開店休業状態になっていることが多かった。その状態で春に食料が増えいきなり食べても、胃の準備ができておらん。そこで、苦みのある野草を食べることで胃を刺激し、たくさん食べても身体を壊さないようにしておるそうじゃ。生活の知恵じゃな。

 

長くなったが、今回はここまでじゃ。本当はもっといろんな発見があったんじゃが、長くなりすぎるのものう。茂林寺沼生物調査委員会は、基本各月の第3日曜日に活動しているそうじゃ。これからは特にいい時期じゃからの、ぜひ手に取って触ったり音を聞いたりする生の体験を味わってほしいのじゃ!