ほっほっほ、茂林寺爺じゃ。久しぶりじゃのう。
20日に湿原を散策したんじゃ。緑生い茂る若葉の季節、茂林寺の植物も虫たちも元気いっぱいだったぞい。
最近は雨の日も多いがの、久々の晴れ間に日向ぼっこ仲間を見つけたのじゃ。
カナヘビ君じゃ。トカゲ君とよぅく似とるがの、皮膚に光沢がないことと、尻尾が長いのが特徴なんじゃよ。擬木の上でたくさん見かけたのう。
後ろに写っている葦(ヨシ)は、ずいぶんと背丈が伸びていたのう。この時期はうんと水を吸って伸びるから、湿原の水位が低くなる傾向があるんじゃよ。大きな葦は湿原の展望を遮ってしまうが、青々とした葦の間を散策するのも探検気分が味わえて乙なものじゃぞ。
じゃが、葦には注意も必要じゃ。五月ごろになると、葦の葉に黄色い毛虫がいることがある。これはスゲドクガの幼虫でな、刺されるとかゆくなり腫れてしまうんじゃ。この時期は歩道の方まで葦が伸びておるからの、歩くときには注意するんじゃぞ。
この時期になるとカキツバタがよく咲いておる。一面葦の緑の中に青いカキツバタ、ハッと目を惹く美しさがあるのう。
湿原の中にはきれいな植物がとても多い。じゃがの、中には困ったやつらがいることも忘れてはならん。
湿原を歩くと、黄色い花が多く咲いておってな。一見きれいじゃが、こやつこそ湿原を脅かす曲者その1なのじゃ。
名前はキショウブ。カキツバタと全く同じ場所を好む外来種でな、カキツバタよりも大きく花が咲き、冬でも枯れないから強いのじゃ。カキツバタとキショウブが一緒にいると、次第にカキツバタが追いやられてしまうのじゃ。
これはホタルの里近くの写真じゃ。キショウブの数がものすごく多いのう…。貴重な植物を守ろうと、ボランティアの方々と対策はしておるがの。中々数が減らないのが悩みじゃな。
これは曲者その2、ルイジアナアヤメじゃ。
こちらも綺麗なうす桃の花を咲かせておるが、立派な外来種じゃ。キショウブに比べるとまだ数は少ないが、着々と増えておるようだからのう。湿原の自然を守るために、目を光らせておかなければならんのじゃ。
最後に、茂林寺爺からのお願いじゃ。最近根本で折れている植物をよく見るのじゃ。
倒れた植物が道をふさいでしまうと、滑りやすくなって危険なのじゃ。それに、湿原の植物を傷つけるのは禁止されておる。木道の近くにもカキツバタのように貴重な植物があるからのう。茂林寺沼に来た時は植物を傷つけぬよう、楽しく散策してほしいのじゃ。
今週の23日には「湿原の生物観察会」が、来週の29日には「自然学習会」が予定されておる。みんなで楽しく湿原のことを学べる機会じゃ。湿原にある植物に触れたい、昆虫を観察したい!という方、お持ちしているぞい。
・お申込みはこちらまで
5月29日 9:00~12:00 「茂林寺沼自然学習会」(25日までにお申し込みください)