2021年4月18日の日曜日、朝9時から「茂林寺沼湿原生物調査研究会」の観察会が
行われました。参加者は、講師の青木雅夫先生を含めて19名でした。
早速、集合場所の茂林寺境内で、青木先生による、足元の「イヌコハコベ」の解説がありました。いわゆる「ハコベ」は、4種類あって、昔、飼っていたジュウシマツにあげた、普通のハコベの標準和名は「ミドリハコベ」と言うらしい。
次は、境内の「ヤマツツジ」の花の解説、「さて、おしべはいくつあるでしょう?」おしべと花びらの数の解説や、植物のおしべの花粉の放出の仕方を教わりました。
湿原に入る手前の大イチョウの根元には、今の季節だけに見られるイチョウの雄花の落下が見られました。手前の2本がオス木で奥の2本がメス木でした。
いよいよ湿原に。今年は、ヨシ刈りが行き届いていて、湿原全体がよく見渡せました。この風景は、今だけのもの。これからヨシの生育とともに、湿原全体を一望することはできなくなります。
今なら、ヨシの丈が低く、カサスゲをはじめ丈の低いスゲやカヤツルグサの仲間の観察に適しています。
青木先生による、オニナルコスゲとカサスゲの解説がありました。
カサスゲは、その名の通り、かつては菅笠の材料に利用された植物。この2種は、湿原を代表する植物で、雄花穂と雌花穂が分かれていることなどの解説がありました。
中央園路の太鼓橋、茂林寺橋を渡った先、歩道上の水たまりにアゼスゲの小さな群生が見られました。アゼスゲは、湿原の植物というよりは、水田畔の植物のようですが、以前、湿原の水位が低く乾燥していた時は見られず、近年水位を上げる対策をとった以降現れるようになった植物とのことでした。
ヨシ刈りがなされ、ヨシの丈が低い今の季節にだけ観察できるノウルシの群落が見られました。心なしか、毎年群落の面積が小さくなっていることが気がかりです。
湿原の北側からも、湿原全体が見渡せました。茂林寺の林の新緑も美しい。
その後、木道を西側に進み、回り込んで茂林寺の林内に入って、掘り下げ試験区をチラ見して終了。ゆっくり、3時間の観察会でした。
次回は、2021年5月23日の日曜日です。今回は、春を代表するチョウのツマキチョウや成虫で越冬明けをしたルリタテハやクビキリギスが見られましたが、昆虫はまだ少ないようでしたが、次回は昆虫もたくさん観察できると思います。