4月の茂林寺じゃ!
春!暖かな季節がやってきたのう!と思いきや、寒暖差が大きくて中々休まる日がなくて残念じゃ。このブログも見て下さっている皆さんは、体調は大丈夫かのう?4月も早いもので、桜も散ってしまったが…。これからは、湿原のゴールドジーズンなのじゃ!
さて、爺は4月17日に行われた「茂林寺沼湿原生物調査研究会」に参加してきたのじゃ。今回はその時先生から教わったことも交えながら、春の湿原で見られる生物について紹介していくぞい。
まず、館林と言えば多くの人が思い浮かべるものはなんじゃろうか?色々答えは浮かぶと思うがの、これを外しては語れない…そう、ツツジじゃ!
時期や天候的にも、今が見頃映え頃自撮り頃!言わずと知れたつつじが岡公園では、ヤマツツジ、キリシマツツジ、クルメツツジ、遅咲きツツジ、の4種類のツツジが花を咲かせておる。つつじが岡公園のHPからそれぞれの咲き具合を確認できるぞい。
そして、茂林寺の境内から湿原の中央園路へ向かう道にも、ツツジが綺麗に咲いておったのじゃ!

これはヤマツツジじゃ。下に咲いているのは前回紹介したショカツサイじゃな。うむ、華やかな紅色と、上品な紫色のコントラストが美しいのう。花は散るが定めであり、その儚さも魅力の一つじゃが、ずっと見られたらとつい願ってしまうのう。
そんなヤマツツジは、花粉を虫に運んでもらう虫媒花(ちゅうばいか)じゃ。「やく」という部分には二つの袋があり、その先端に穴が開いて、花粉が出て行くんだそうじゃ。ルーペを構えた先生曰く、おしべに突起があるそうじゃ。肉眼じゃとつるつるに見えるが、拡大してみると新しい発見も多いのう。次は爺もルーペを持って散歩するぞい。
春に道を彩る植物は多々あるが、風物詩、タンポポについても解説があったぞい。よく見かけるタンポポには大きくわけて二種類あっての、早春に花を咲かせるのがニホンタンポポ、初夏まで咲いているのがセイヨウタンポポなんじゃそうじゃ。同じタンポポでも、開花時期で見分けがつくのは面白いのう。
花の上にいるのはヤブキリという昆虫の幼虫だそうじゃ。よくタンポポの上によく見られるそうでな、爺の写真にも映りこんどった。

虫との関係でいえば、ヒメスミレについての話もあったぞい。ヒメスミレの種には、種枕(しゅちん)という、甘い物質がついておる。これは蟻が好む物質での、種子ごと巣に運んでもらうことで分布範囲を広げていくんじゃ。
花と虫は密接に関わり合っているんじゃな。しかし、関わり合っているのは花と虫だけではない。植物とあの動物もまた、利用し利用されの関係なのじゃよ。
例えば、大きな木の周りには他の植物も多いのじゃ。根の辺りから生えている植物を見て、上を見上げたら別の木だった…なんてことがよくあるそうじゃ。では、なぜそんなことが起きるのかのう?
まずは、水がある。大きな木があるということは、そこまで成長できるだけの水と栄養があるということじゃ。無論、他の植物にとっても生きやすい環境じゃ。だから、木の周りには植物が集まるのじゃ。ん?成長するのはわかったが、そもそも他の植物とは、一体どこから現れたんじゃ?疑問じゃのう。
この疑問にも、先生は答えてくれたぞい!植物の運び屋はなんと、鳥たちだったのじゃ!大きな木は鳥たちの止まり木にもなる。休んでいる鳥がする糞の中に、植物の種子が混じっておるのじゃ。ただ地面にまくよりも、鳥などの消化器官を通ったほうが発芽しやすい、という研究もあるようじゃぞ。いやあ、自然のサイクルというのは実に見事じゃのう。
さて、先月よりも湿原全体が緑に色づいてきた。この時期の葦は一雨ごとにぐんぐん伸びるからの。またわし等の背丈なぞすぐに超えてしまうじゃろう。そんな葦の中、土筆のように生えているのは、カサスゲじゃ。

昔話の「かさじぞう」などに出てくる、笠の原料じゃな。爺が被っているのもそうじゃ。カサスゲは茶色く飛び出ているのが雄の穂、下に小さくついているのが雌の穂じゃ。カサスゲによく似たものにアゼスゲがある。こちらはカサスゲよりも雌の色が薄いのじゃ。中央園路沿いでよく見られるから、ぜひ二つを見比べてみてほしいのじゃ。
湿原には多種多様な植物が芽吹いておる。しかし、中には湿原に入ってしまうと困るものもあるんじゃ。代表的なのは外来種じゃの。ブログでも度々挙げているキショウブやセイタカアワダチソウなどじゃ。しかし、厄介なのは外来種だけではないのじゃ。
茂林寺沼は県の天然記念物に指定されておる。湿原の中から勝手に貴重な植物を採取するのはもちろん、傷つけることも規制されておる。そして、湿原にもともとない生物を持ち込むのも、やってはいけないことなのじゃ。たとえ外来種でなくとも、湿原の外から持ち込まれたものは湿原固有種の生態を壊してしまうことがあるからのう。
この写真を見てほしいのじゃ。

これはハナニラと水芭蕉じゃ。どちらも素敵な花を咲かせる植物なのじゃが…。茂林寺沼には無かった種なのじゃよ。特に、すぐ増えるというハナニラは、これだけ取ってもまだ取りきれておらん。

湿原で綺麗な花をみたい、素敵な風景を作りたいという気持ちはとってもありがたいのじゃが、貴重な環境を守る事もまた重要なのじゃ。茂林寺沼は関東地方でも有数の多様性を保つ、本当に貴重な湿原じゃ。この湿原の環境を未来へ残し繋いでいくためにも、ご理解ご協力をお願いしたいのじゃ。
いや、年寄りはすぐ説教くさくなってしまっていかんのう。気を取り直して、最後に見つけた虫の話じゃ。写真もあるから、苦手な方は注意して欲しい。
よくテレビなどでも名前を聞くゲンゴロウ、これはそのちっちゃいバージョン!その名も!チビゲンゴロウじゃ!

うーむ爺の目には小さすぎて中々見えないのう。これは学生さんが見つけてくれたのじゃ!いやあ発見力が凄いのう。中央園路の水没部分でよく見られるから、たまにはじっと水面を覗いてみるのも、新しい発見につながるかもしれんぞい。
お次は食べ盛りの虫の紹介じゃ。土手の方に、食べられて穴だらけになってる植物を学生さんが見つけたんじゃ。

これはコガタルリハムシの幼虫だそうでな、近くに成虫もおった。
いやあ、一見すると黒っぽいが、光にあたると美しい瑠璃色が見えるんじゃ。先生の話では、身近かつ美しいから、この虫から昆虫沼にハマる人も多いそうじゃ。公園などでもよく見られる昆虫らしいが、こんなに食欲旺盛とは知らんかったのう。
この時期の湿原は、一雨ごとに表情を変える。葦の伸びや花々の芽吹き、何回散歩しても空きが来ないのが春の茂林寺じゃ。一度訪れた事がある人でも、ぜひ二度三度足を運んでほしいのじゃ!