もりん爺のブログ

館林市非公認キャラクター「もりん爺」のブログ。茂林寺や茂林寺沼湿原の情報を紹介していきます。

7月の茂林寺じゃ

今日は茂林寺沼湿原生物調査研究会に参加してきたんじゃ!今回も色々興味深いお話を聞くことができたぞい。

まずこの写真を見てほしい。

雑草だらけ……に見える人が多くいるじゃろう。この爺もそうじゃ。でも先生によれば、ここからもわかることがあるそうなんじゃ!
よく見ると、右面には同じ種類の植物が生えているのう。しかし、少し道を外れるといろんな植物が生えておる。その秘密は、なんと除草剤だったのじゃ!
先生によれば、除草剤とは植生を変えるだけらしい。つまり、今生えている雑草たちを枯らしても別の種には効かず、時季がくれば繁茂するんじゃ。その結果、除草剤を撒いたところにはその効果がない種が残り、撒いてないところには元の植生が残っている、ということじゃな。写真に引かれた赤い線でちょうど植生が変わっておる。身近な観察は足元から。なんの変哲もない雑草じゃと思っておったが、ここにもドラマがあるんじゃのう。

 

次は可愛らしいキノコの紹介じゃ。

名前はザラエノヒトヨタケというらしい。見た目がかわいかったのでついカメラを構えてしまったのじゃ。食用には向かんらしいから、見つけても食べてはいけないのじゃぞ。

 

これはヤブミョウガじゃ。

ミョウガといえば、スーパー等で売っている蕾のような形をした薬味のイメージが強いかもしれんな。しかし、ヤブミョウガミョウガとは全く別の植物なんじゃ。似ているからと食べてしまってはだめじゃぞ!

 

今日の可愛らしいものパート2は、エゾミソハギとツバメシジミじゃ。

エゾミソハギ、と一口に言っても、その中でさらに特徴が判れているのじゃ。それが、花の中にある雄しべと雌しべがどの高さにあるか、ということなんじゃ。長花柱花、中花柱花、短花柱花の3型があるそうじゃぞ。そして興味深いのは、この3型は、どれも同じ型同士では受粉することが出来ないそうじゃ。違う特徴を見つけねばならず、それが多様性につながっていくのじゃなあ。知れば知るほど、自然のシステムというのはよくできておるのう。
さて、ツバメシジミは湿ったところにいるのと、羽の後ろにあるオレンジ模様、ぴょっと出た尾っぽが特徴的じゃ。似ているところでヤマトシジミという種があるそうじゃが、そちらは乾いた所におり、オレンジの模様も薄いそうじゃ。
ちなみに、前回紹介したハグロトンボを覚えているかのう。今日は、ひらひらと飛んでいるチョウトンボを見かけたんじゃ。姿は黒っぽかったぞ。昆虫大魔王によれば止まっているときに羽を閉じているものはイトトンボのグループで、羽を開いているのはトンボの仲間らしいのじゃ。羽の開き方ひとつで属するグループが変わるとは、昆虫の世界も奥が深いのう。

 

さて、最後に幼虫の紹介じゃ。がっつり芋虫の写真があるから、苦手な方はこの先に進むことはお勧めできんぞい。

 

これはセスジスズメの幼虫だそうじゃ。写真は最後にあるぞい。葉っぱの裏にいるのを学生さんと昆虫大魔王が見事発見したんじゃ。特徴的なのはなんといっても目玉の模様じゃな。この目玉模様はいろんな昆虫の模様に採用されておるが、それはなぜじゃろう。もちろん利益あってのことなんじゃよ。目玉というのは、恐怖の対象になるんだそうじゃ。例えばこのセスジスズメの幼虫を狙って、カナヘビや鳥が襲ってくる。でも、この模様を見た瞬間に驚いて逃げてしまうそうじゃ。ちょっとうっとなる模様じゃが、命を守るための立派な模様なんじゃな。うむ、爺はあまり好きではないというか……見つめられると素直におしゃべりできなくなるというか……。
気を取り直して、もう一つの特徴の紹介といこう。それはなんといっても尻尾のとげじゃな。ピンの高くつきだしているこのとげは、突き刺すためのものではないらしいのじゃ。このセスジスズメの幼虫を同じケージにいれておいておくと、みんな死んでしまうのだそうじゃ。理由は同士討ち。セスジスズメの幼虫は大量の葉を食べるらしく、一所に集まり餌が不足してしまわないよう、お尻のとげを使って同じ仲間を叩くんだとか。そうすると叩かないようにお互いが遠くへ移動していき、十分は生活範囲を確保できる、というわけなんじゃ。スパルタな教育方針じゃが、種として生き残るための工夫でもあるんじゃな。

 

今日はここまでじゃ!暑かったり涼しくなったりと気温の変化が大きいからのう。体調には気をつけるんじゃぞい!