もりん爺じゃ
5~6月は湿原の芽生えと成長の季節!
目まぐるしく変わる湿原の様子をお伝えするぞい
こんな感じだったヨシ原が
5月中旬にはこうなって…
今ではこんなに背が高くなってしまったぞ
古事記の冒頭イザナミ・イザナギより前の天地開闢の様子に「国がまだ若く水に浮かぶ油のようだったころにヨシを萌芽させる力によってウマシアシカビヒコジノカミが生まれた」とあるのじゃ
昔から日本ではヨシが、その生命力の強さから、「生命力」「生み出す力」「大地」の元型的な象徴となっているようにみえるのじゃ
ヨシは1日に5センチも伸びると言われているようでその生命力は相当なものじゃ
太古の日本人はそんな様子を見て、混沌とした無から世界や何かが生み出されるという考えを、芽生えてくるヨシに投影していたのかもしれんな
「国が水に浮かぶ油のようだった」というところもどこか湿原の様子を思わせる気がするぞい
茂林寺沼湿原も湿ったところには植物などの油脂がところどころ浮いておるのじゃ
冬には何もないどろどろとした地表から春にはヨシでいっぱいになる様を見て世界もそんな風に生まれたと感じたのかもしれんな
実は世界中で植物の成長は宇宙や人の心、神の奇跡や錬金術の過程などの様々な神聖な象徴とされてきたのじゃ
それは薔薇だったり蓮だったりするのじゃが、日本人はそれをヨシに見ていたのかもしれんな
ヨシは邪気を払うものともされているそうじゃ
葦という字が「良し」「悪し」の二つの読み方があるところから対立する二つを含んだ開闢前の混沌を連想することもできるかもしれんな
もしかしたら日本人の心の原風景は湿原にあるのかもしれんぞい!
そして5月にはカキツバタがいつも通りに咲き乱れて
6月にはノハナショウブが咲くのじゃ
今年見本園に植えられたノハナショウブも少し咲いておったぞい!