爺じゃ
もう夏のような暑さじゃのう
爺は暑さに負けずに元気に茂林寺沼を散策しとるぞ
今日はカキツバタに似たちょっと迷惑な花の話をするぞい
最近の湿原ではこんな黄色い花が見られるようになってしまったのじゃ
そして、これが近づいた写真じゃ
色以外はカキツバタに似ておるが、これはキショウブといって本来この湿原にいない外来の生物なのじゃ
葉っぱの中央に筋が通っておるから葉っぱを見るだけでも見分けられるぞい
葉はカキツバタよりも硬く強い感じがするのう
そして大きさもカキツバタよりも高く育つのじゃ
そのせいで同じ環境で育つカキツバタの成長に必要な日光を遮ったり、スペースを奪っていったりしてしまうのじゃ
これはキショウブの根を切り取って駆除した欠片じゃが、その一部からでもこのように芽生えてきておる、生命力が強いのじゃ
こんな強い外来植物が急に湿原に入ってきてしまうと、昔からいた貴重なカキツバタやほかの植物たちがいなくなってしまうかもしれん
最初に言ったようにキショウブは本来この湿原にいない植物なのじゃ
誰かがきれいだからと持ち込んでしまったのかもしれんのう
茂林寺沼湿原には貴重な植物がたくさん暮らしておる
そういった植物たちが時にカキツバタの花のように散策する人々を楽しませてくれたりするのじゃ
でも一度いなくなってしまえばまた戻ってくる保証はないのじゃ
爺は皆が湿原に手をつけないでそっと見守ってくれることを願っておるぞ
それではまたの